母の気管支喘息
「食」と並んで、重要なサポートは「薬」です。
特に、母は気管支喘息のため、毎日の服薬は不可欠。
以前は月1回程度、発作を起こしてかかりつけ医のお世話に。
ヘルパーさんと看護師さんの訪問介護、我々夫婦の遠距離介護。
これらはいずれも、母の病気への対応が重要な目的でした。
在宅介護を始めてほぼ1年になります。
なんと、1度も発作を起こしていません。
気管支喘息の発作が無かった要因
どうして発作が無かったのか、その要因を考えてみます。
なお、比較対照があっての考察ではありません。
推測の域を出ないことをお断りしておきます。
その要因として、以下の5つを考えました。
1 大掃除
2 定期的な掃除
3 食事の改善
4 ストレスの減少
5 服薬の徹底
大掃除
寒い寒い季節、年末の大掃除は絶対にイヤでした。
そこで、当初の計画通り、初夏の大掃除。
これには、母が猛烈に反対、あからさまに嫌な顔。
そこを説得して、なんとか実施しました。
まずは、両親の寝室と、その押し入れ。
押入れから、カビ臭がする布団と座布団が出てきました。
押入れには、きちんとスノコが敷いてあります。
布団を出してみると、スノコの隙間に丸めた新聞がびっしり。
これでは、通気性が台無しです。
「湿気を吸わせるためだよ」と母。
押入れには、水で満杯になった除湿剤も放置されていました。
カビ臭がする布団と座布団を、町の焼却施設に運んで処分。
押入れの全面を、オスバンSの100倍液で雑巾拭き。
その後、スプレーでエタノール消毒。
全面がオスバンで濡れていたため、無水エタノールをそのまま噴霧。
エタノールの臭いを除去するまで、2日かかりました。
この押入れの状態を見逃していたのは、私の責任です。
ずっと前の話です。
父は、冬を少しでも暖かくしたかったようです。
全ての床下換気口を、発砲スチロールでふさいでいました。
これを聞いて私は愕然、見てまた愕然、即座に撤去。
両親ともに、換気、通気という概念がまったく欠如しています。
寝室の長押などの桟(サン)はホコリだらけ。
照明器具の上には、数cmのホコリの層。
掃除機で徹底除去。
障子を張り替えて、桟を清掃。
ここまで放っておいたことも、私の責任です。
両親の寝室をはじめとして、家全体の大掃除を行いました。
徐々に行ったので、要した期間は2か月くらい。
住環境は大幅に改善したのではないでしょうか。
これは、母の気管支喘息にも好い影響を及ぼしたと考えています。
定期的な掃除
遠距離介護は、1~2週間に1回、土曜日と日曜日。
このときに、我々夫婦は通常の掃除を行いました。
しかし、時間がない中での作業なので、非常に限定的。
平日は、ヘルパーさんがリビングと台所の掃除をしてくれました。
遠距離介護のときから、母は掃除されるのを嫌がっていました。
「私がちゃんと掃除をしている。お前たちがやらなくてもいい」
特に、妻が掃除をしていると、非常に不機嫌。
「何をしてるだい。そんな所までしなくてもいいわね」
なんで、嫌な顔をされながら、掃除をしなくてはいけないのか・・・。
しかし、在宅介護を始めて、全てが明白に。
母は掃除機の使い方が分からなくなっていました。
母の掃除は、簡易モップで四角い所を丸く拭く程度。
それしか見たことがありません。
いつからかは不明です。
多分、寝室の掃除はしていなかったでしょう。
在宅介護を始めてから、日曜日を掃除の日にしています。
母がこれを素直に受け入れるまで、1か月かかりました。
しかし、妻が実家に居るときは、今でも掃除のときは不機嫌。
かといって、私一人では掃除の効率が上がりません。
妻に言わせると、私の掃除の仕方もいい加減だとか・・・。
両親の寝室だけは私の担当。
それ以外の部分は、妻が居るときは2人で行っています。
ようやく家全体を定期的に掃除するようになりました。
これも、母の気管支喘息に好い影響があったと考えています。
食事の改善、ストレスの減少
私が在宅介護を始めて、確かに両親は安心したようです。
通常の衣食住の心配は、格段に少なくなったでしょう。
一方で、私の都合で生活パターンを変えたところもあります。
これは、多少なりとも両親にはストレスになっているはずです。
さらに、嫁・姑問題が顕在化してきました。
しかし、基本的に嫁は月に2回、それぞれ3日程度の滞在です。
継続したストレスにはなっていないと判断しています。
生活パターンの変化、嫁・姑問題については、別の機会に紹介します。
総体的に、両親のストレスが大幅に軽減したことは確かでしょう。
これも母の気管支喘息に好い影響があったと考えられます。
服薬の徹底、吸入ステロイド薬
遠距離介護のとき、母はきちんと服薬していました。
錠剤も吸入ステロイド薬も、ヘルパーさんが訪問したときに服用。
ヘルパーさんにきちんと確認してもらっていました。
土曜日と日曜日は、私が担当していました。
吸入ステロイド薬は「フルタイド」のドライパウダータイプ。
在宅介護になって、最初に母をかかりつけ医に連れて行った時です。
「試してください」と看護師さんから笛を渡されました。
強く吸うと音が出る笛。
この音が出るくらい強くステロイド薬を吸入するのだそうです。
ところが、母が吸っても音は出ませんでした。
そうです。これまでずっと、正しく吸入していなかったのです。
この笛をもらって帰宅。
早々に、音を出せるように、母と練習しました。
「もっと強く、もっと強く」と私。
「なんでこんな事をしなくてはいけないの」
「ヘルパーさんは、そんなことは言わなかったよ」と母。
一度慣れてしまったことは、なかなか修正できません。
私が笛を吸って音を出してみせると、母は唖然とした顔。
「そんな音が出るんかい」
母が音を出せるようになったのは1週間後。
楽に音を出せるようになるまで、ほぼ3週間を要しました。
今では、笛を鳴らしてから、同じ強さで薬を吸うようにしています。
ドヤ顔で3回も笛を鳴らします。
「プーー、プーー、プーー」
しかし、放っておくと、笛は笛、薬は薬になってしまいます。
時々、「笛から音を出したように、薬も吸って」と私。
吸入後、紺色のハンドタオルにコンコンと当てて残薬を確認。
現在、吸入ステロイド薬を1日2回、毎日吸っています。
これも母の気管支喘息に重要な影響があったと考えています。
おわりに
在宅介護の目的の一つは、母の気管支喘息への対応でした。
それまで、発作のたびにかかりつけ医のクリニックからは苦言が。
「いつまで(両親を)放っておくのですか」
「いつ(自宅に)連れて行くのですか」
在宅介護を始めるときの重要懸案事項でした。
特に、吸入ステロイド薬の影響が大きいかもしれません。
笛を使った吸入練習を、早くからしていればと後悔しています。
遠距離介護の時の苦労は、ずっと軽減されていたでしょう。
このまま発作が起きないことを願っています。
(2018年3月19日)
