在宅介護で困った庭の管理
実家で在宅の息子介護を始めて1年余り。
本来の介護以外で困ったことの一つは、庭の管理でした。
実家の庭
実家は田舎にあり、家庭菜園を含めて庭が約100坪あります。
このうち、家庭菜園は2割程度。
マツ、サクラ、イチイ、ツゲ、ハナミズキ、ツツジ、ナンテン・・・。
ドウダンツツジとアオキの生垣など、沢山の庭木たち。
その下には、沢山の草花たち。
家庭菜園では、父がホウレンソウ、コマツナ、トマト等を栽培しています。
父が元気な時、庭の管理に口出しはできませんでした。
父の基本方針は放任主義。
聞こえは良いのですが、つまりは植物まかせ、伸び放題。
庭は草だらけ、ジメジメしていて、庭木にはカビやキノコ。
アオキの生垣は、ヤブガラシが絡まってジャングル状態。
案の定、父は除草剤が大嫌い。
父は人の言うことにまったく耳を貸しません。
私が何か言うと、「いいだ、これで」の一言。
父は、年1回、11月頃、庭師に剪定を依頼していました。
この時に全部の庭木を剪定するのです。
このため、ツツジやアジサイの花は見たことがありません。
アオキの生垣は頭を切りそろえるだけ。
頭が大きなコブになって何ともカッコが悪い。
庭師の考え方がなんとも理解できませんでした。
遠距離介護での庭の管理
遠距離介護を始める前から、庭の管理を覚悟していました。
庭の状態は、母の気管支喘息に良くないことは明らか。
遠距離介護が本格化したとき、夏季の草取りも主な仕事になりました。
早朝、暑くならない前に、妻と二人で草取り、草取り、草取り・・・。
この頃になると、父は草木への興味が薄れた様子。
気にはなっていたのかもしれません。
しかし、視力、体力、気力が低下気味。
主に家庭菜園に取り組んでいました。
母は昔から草取りをほとんど行いません。
庭に生息する「ある生き物」がとても苦手なのです。
そのため、庭の中に分け入ることもしませんでした。
遠くから草木を鑑賞するだけ。
気管支喘息のためには、近寄らなくてよかったのです。
それを棚に上げて、私と妻には草取りを恒常的に要求。
まったく、頭に来てしまいます。
遠距離介護が始まって、庭の環境が徐々に改善しました。
通常の雑草はもとより、フキ、ミョウガ等も徹底的に撤去。
風通しが良くなってきました。
「フキ、ミョウガが食べられなくなった」と母はブツブツ文句。
放っておきました。
通路の明確化
さて、いよいよ在宅による息子介護を開始。
当初から庭の管理方法の改善に取り組みました。
「どうしたら庭の管理を楽に行えるだろうか」
先ずは、通路、花壇、家庭菜園を別々に管理することにしました。
通路は、除草剤を積極的に利用し、草かきで草削り。
花壇と家庭菜園の中だけ、手による除草。
これを実施するには、通路を明確に区分する必要があります。
これまでは、通路、花壇、家庭菜園の境界がハッキリしていませんでした。
そこで、石を並べて、しっかりした境界を作り、通路を確保。
さらに、母屋の奥まで、軽自動車が入れるように通路を拡張しました。
これは、将来、両親が車イスの生活になった場合の対応です。
当然、両親にはこのような説明をしていません。
3か月間の土木作業の末、8月頃にはようやく完了しました。
樹木の一部撤去
庭の管理を簡素化するために、樹木の一部を切り倒しました。
人の2~3倍はあるような樹木を3本。
ヒバ、ホウノキ、あと1本の種類は不明です。
前年、庭師にこれらの樹木を伐採するように頼んだのです。
しかし、父が仲に入っていたため、うやむやになってしまいました。
そこで、電動チェーンソーを購入して自分で伐採。
初めてのチェーンソーでしたが、割と簡単に伐採できました。
ホウノキの直径は35 cm。
素人作業でしたので、かなり危険だったかもしれません。
実家の樹木を管理するために、庭師は3日を要していました。
庭師の経費は決して安い額ではありません。
先々のことを考えると、このような経費は極力倹約。
この年、数十年続けてきた庭師への依頼を中止しました。
しかし、マツ、サクラなどの一部の樹木は高すぎて素人は手が出せません。
切ることもできませんし、剪定することもできないのです。
とりあえず、今年はそのまま伸び放題。
いつか、決断しなければならない時が来ると覚悟しています。
庭は両親の心の支え
両親は花が大好きです。
母は、私に花の名前を聞いたり、本を開いたりして確認しています。
薄れる記憶を呼び戻そうとするかのようです。
父は、視力の衰えで、花を十分に楽しむことはできません。
しかし、ぼやっと見えているようで、花の開花を話題にします。
両親にとって、庭の草花、樹木たちは癒しと安らぎになっています。
大事にしなければなりません。
草木の管理は、我々夫婦が全面的に行っています。
冬季はしかたありませんが、暖かい時期は花壇が寂しくないように配慮。
特に、多年生の草花と単年生の草花との組み合わせに気を使います。
昨年に植えた多年生の草花は、春から順調に生育し花を着けました。
庭木は、その樹種の適期に剪定しています。
今年、ようやくアジサイの花を見ることができました。
ツツジはまだまだのようです。
アオキなどの生垣では、先端のコブをなくし、すっきりした形にしました。
家庭菜園ではトマト、キュウリ、ホウレンソウ、コマツナなどを栽培しています。
父は、視力が衰えてはいるものの、土を耕し、種を蒔き、苗を植えています。
母も、収穫できることを楽しみに待っています。
夏季には、野菜の生育具合が話題に上ります。
家庭菜園の管理は基本的に父の担当。
視力が低下しているので、管理が行き届きません。
しかし、私の支援はあえて最低限。
手を出し過ぎるのは良くないと思っています。
雑草の堆肥化
在宅介護をするまで、抜いた雑草は庭の隅で山積みになっていました。
昨年から、雑草の堆肥化を図っています。
使う道具は、コンポストを作る容器「コンポスター」。
フタが付いた130リットルの黒いプラスチック容器です。
底がありません。
この中に、集めた雑草と土を何層にも重ねながら充填。
適当な水分状態で放置。
1か月に1回程度、容器の中身を出して、容器に充填し直します。
昨年の秋、みごとに堆肥が完成。
1年間かけて、大体のコツを習得しました。
おわりに
在宅介護には、本来の介護の他に、様々な雑務を伴います。
その中には、家の掃除、家回りの掃除、庭の管理、家の補修なども。
介護する側からすると、介護以外の雑務はなるべく避けたいのが本音。
一方、高齢者に対して、見慣れた庭を維持する必要性も理解できます。
高齢者の心の支えになることは明らか。
しかし、労力には限界があります。
どの程度まで行うかはケースバイケース。
(2018年6月28日)
